プリウスが切り拓いたハイブリッド車の可能性

「21世紀に間に合いました」というキャッチフレーズで、世界初の量産型ハイブリッドカーとなる初代プリウスが世に出た1997年当時。低燃費で電気で走ることもできるという触れ込みのこの車は、一般人からみたら特異な存在でしかありませんでした

まだまだ開発途上といえるハイブリッドシステムを搭載した初代は、安いとはいえない車両価格とも相まって、近年はおろか当時でもそれほど多く見かけた記憶はなく、決して売れた車とはいえませんでした。

2003年に2代目となって以降、車としての完成度が高まったことに加え、ハイブリッドカーに対する一般の認知度向上もあって大ヒットとなり、さらに洗練された3代目、そして昨年末に発表された4代目へ。ハイブリッド車の代名詞ともいえるプリウス。

近年ではホンダをはじめ、各メーカーでもハイブリッド車が開発・販売されるようになり、次世代の車としてではなく現代の車として、ハイブリッドカーは市民権を得た感が大きいです。この現在の状況を1997年当時、誰が想像できたでしょうか?

ハイブリッド車の普及率はどの程度?

街ではよく見かけるようになった感の大きいハイブリッド車ですが、実際にはどの程度普及しているのでしょうか?2015年の統計によれば、登録されている普通自動車の中でハイブリッド車の占める割合は8%弱と、数字にしてみるとまだまだガソリン車が圧倒的なシェアを占めています。

ちなみにハイブリッド以外の次世代の車ともいわれる電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)では、全体の0.2%と、まだまだ少数派といえます。

ハイブリッド車はどのくらい乗れば元が取れる

低燃費で経済的だという理由から、ハイブリッド車の購入を検討している方も多いかと思います。実際のところはどうなのかというと、高いハイブリッド車と、同じ車格のガソリン車との価格差が30万円だとすると、細かな計算はここには書きませんが、1年間1万キロ乗って10年乗り続けてやっとこの価格差分を取り返すことができます。

ということは年間1万キロ以上乗る方や、10年は乗り続けるという方でなければ、 わざわざハイブリッド車を購入しても金銭的なメリットは得られないということになります。うーん、なんかイメージしてたのとかなり違う感じがしますね。

電気自動車(EV)は航続距離がネック

よくいわれているのが、ハイブリッド車はつなぎのような存在であって、最終的にはEVが主流になるという説。最近ではそこここで充電設備を見かけるようにはなりましたが、ガソリンスタンドと比較したらまだまだ少ないのが現状です。

そしてEVが抱える最も大きな課題が、満充電状態からの航続距離。代表車種ともいえるニッサンリーフでカタログ値だと228kmですが、実際には150~160kmが現実的。200km以上の距離を移動する場合なら、必ず充電しなければなりません。

そして充電にかかる時間が、急速充電をして30分前後。もし充電スタンドに先客が1台いたら1時間の時間が必要となります。 そういった点では、現在のEVは近距離での移動手段でなければ、使い勝手に難があるといっていいでしょう。

注目はプラグインハイブリッド

さて、ハイブリッド車はガソリンでエンジンを駆動し、この力とブレーキで止まろうとする力を電気として溜め込み(充電し)この電気を使ってモーターを回します。 モーターだけで走行できるか否かはシステムによって異なりますが、 現在主流のハイブリッド車では、重要な場面ではエンジンに頼っていて、モーターのみで走行できても低速時や負荷の低い走行のみとなっています。

そして電気自動車(EV)のように、コンセントに差し込んで充電するといったシステムを持たず、ガソリンがあることを前提とした設計となっています。

このハイブリッド車をコンセントに差し込んでも充電可能としたのが、プラグインハイブリッド(PHV)、さらにモーターのみでの走行をメインとしたのがプラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)。ガソリンと電気の両方を外部から補給できるという点で、ハイブリッドとEVの両方の良いところを備えた次世代の車として注目を浴びています。

しかし現時点では車種もまだまだ少なく、価格もそれなりに高額となるので、経済的な負担の軽減を見込んでの購入には、まだ時期尚早といえますね。

まだまだ主流はガソリン車

低燃費で環境にやさしい車を目指す。この方向性は自動車業界において今後も大きく変ることはないかと思いますが、長年に渡って熟成されたきたガソリン車の持つ実力と使い勝手は、そうやすやすと超えられるものではないといえます。

ガソリンスタンドも、これから減少傾向となってゆくであろうことは想像できますが、急激に少なくなってしまっては、車社会だけでなく社会全体に大きな影響がでます。 こういった点からも、ハイブリッド車をはじめとする次世代の車が、ガソリン車のシェアを上回るまでには、まだまだ長い年月が必要となってくる思われます。

買い替えはまだガソリン車という選択も

ハイブリッド車をはじめとした、次世代の車?についてざっくり書いてきましたが、買い替えるならどうなのか?少なくとも燃費の面での経済的お得度という点では、ガソリン車でもそう変らないといっても良いのではないでしょうか。

ただ新しい技術を体感したい、という向きにはどれも大きな魅力が詰まっていますし、 価格が高くても投資できるのであれば、買取査定価格を考えても短期間で大きく下落する可能性はかなり低いといえますね。

査定価格参考:車買い換えたい.jp

ちなみに現在乗っているハイブリッド車を買い替えたいというケースでも、プリウスを除いては年式的にそれほど古いものではないことも手伝って、それなりの買取額が期待できるといえます。

これが、EVやPHV、PHEVとなるとさらに年式が新しいものばかりですから、まだまだ高額買取が期待できます。最先端技術の詰まった次世代車を所有するということは、中古車市場でも市場価値が下落しにくいため買取時にもその恩恵を受けられるといえるわけです。